70.K パリティビットとパリティチェック
70.F 調歩同期通信方式 に示したように,調歩同期方式の通信にかぎらず,通信エラーの検出方法の一種として,パリティビットを付加するという方法がある. パリティビットは通常,送信時に付加される (調歩同期では文字符号の直後).
パリティビット値は,それまでに送信されたビット列の値を合計し,それとパリティビットとの和(つまりスタートビット+文字符号)が奇数または偶数のどちらかに揃うように決定される.
奇数に揃えるのを「奇数 (odd) パリティ」,
偶数に揃えるのを「偶数 (even) パリティ」という.
このパリティビットの指定が既知であれば,受信側で通信エラーチェックが可能になる.
例えば偶数パリティの場合,一連の文字符号のかたまり (パケット) に対して,そのパケット全体のデータビットを合計したとき,答えは必ず偶数のはずである.したがってもしデータビット合計が奇数になったら,そのデータパケットはエラーを含んでいると判定できる.
しかし,実際には非同期シリアル通信ではパリティビットはほとんど意味がない.
なぜならば非同期方式では受信側は一切エラーチェックを行なわないからである.
このため,パリティビットの入らない(NONE)設定もよく使われる.
※事実,日本国内の通信では 2bytes系の漢字コードを使用するために,N81,つまりパリティ=なし/1 文字=8bit/ストップビット長=1 という設定が多い
パリティはあくまでも送信時に付加されるものであり,調歩同期のように受信側が「受けっぱなし」の場合には,パリティはついているだけで利用されないことを理解しておくこと.
※パリティが有効に利用されるのはどういう通信方式の時か,調べてみよう.ヒントはモデムを用いた通信.
2023/9/18